バイオメカニクスは,バイオロジー(biology: 生物学)とメカニクス(mechanics: 力学)を融合したもので, 生体に作用する力とその力が生み出す運動や形状変化の関係を力学法則に則って解釈し, 様々な身体運動や外傷・障害のメカニズムを明らかにすることを目的とした応用科学領域です. 特に,スポーツにおける身体運動の『からくり』やスポーツ障害の発生メカニズムに着目した領域をスポーツバイオメカニクスと呼ぶこともあります.

スポーツ科学部では,身体運動を力学的な視点で理解するために必要な基礎知識を習得するための『基礎バイオメカニクス(秋学期)』, スポーツにおける基本的な身体運動(歩・走・跳・回転・投・打・泳)における動きのメカニズムを理解し, トップアスリートのパフォーマンスを規定する因子について学ぶ『スポーツバイオメカニクス(春学期)』を開講しています.

スポーツでは選手が自身の身体を素早く移動・回転させたり,ボール等の物体を遠くに飛ばすことが求められる場面が多く見られます. このような目的を達成するための身体運動は非常に複雑ですが,授業ではこれらを感覚的に理解できるよう映像やCG,スライドを用いて解説しています. また,ゼミ教育では実際にデータの取得し,簡単な数式やモデルを用いたデータ分析を行うことでその方法を学びます. 卒業論文では,学生自身が興味のあるテーマを設定し,大学院生の補助を受けつつ実験を行います. 大学院ではゼミで扱う範囲を超え,バイオメカニクスの根本となる理論を学びます. ベクトルや行列の扱いを習得することで,様々なデータを扱った分析が可能になります. 研究指導では研究の立案から論文の執筆までの流れを学びます.