
バイオメカニクス研究室ではスポーツ選手の競技力向上と傷害予防を目的とした研究活動を進めています. 具体的には「正しいフォームとはどのようなものか?」,「傷害を起こしやすいフォームとは?」という疑問に対する答えを探るべく, ①スポーツにおける身体運動の『からくり』を探る基礎的研究,②スポーツ傷害のメカニズムやリハビリテーションの効果について分析する臨床的研究を実施しています. また,スポーツ現場における技術指導を科学の視点でサポートする活動も並行して行っています.
現在,力を入れて取り組んでいるのは,投・打・泳動作の分析です. とりわけ野球においては,プロ野球,社会人野球,大学野球のチーム・選手にご協力いただいており, 基礎的研究とスポーツ現場の支援活動を両立させることができています. ハイレベルな選手が長年培って獲得したフォームは個性的な場合もありますが, これらの選手には共通した特徴が見られることがあるため,その動作を考える上での理想像が隠されていると考えられます. そのような理想像を科学の視点で追究することにより,競技力の向上を可能にし, 長期にわたる厳しい練習の中で外傷・障害の発症しないフォームを構成する因子を見つけ出すことができると確信しています.
『スポーツ科学』という領域に期待される重要な役割として,スポーツ現場の選手やコーチにとって有益な知見を提供すること, ならびにその知見を理解し応用できる指導者を育てることが挙げられると思います. 後者については,早稲田大学スポーツ科学学術院の学部教育や大学院教育を通じてその具現化を図っています. バイオメカニクス研究室においても,講義科目およびゼミ教育等でこれに貢献しています. 前者の効率的な実現をめざし,このホームページを作成しました. このホームページは,これまでの研究で明らかになった知見をスポーツに興味のある皆様に提供することを目的の一つとしています. 我々の研究成果がスポーツ現場でご活躍の皆様がもつ疑問への回答を見つけるヒントになれば幸いです.